障がいがある子どもの子育ての不安と葛藤、支援者からの見解
1. 保護者が抱える「胸の内」
孤立感と分かち合う場の限りなさ
「みんなどうしているんだろう……?」
実は、障がいのある子を育てる親御さんは、相談できる相手が少ないと感じることが多いです。発達のグレーゾーンにいるお子さんの保護者は特に、周囲の理解が得られにくく、孤独感に苛まれがちです
“障がい”との向き合い、葛藤
子どものささいな変化に気づいたとき、「もしかして…?」と思考が動き出し、その先に不安や葛藤が待ち構えています。早期に気づいても、それを受容するまでには時間が必要だ、といった葛藤を経験するケースもあります。
仕事と育児の狭間で
定期的な療育・医療支援が必要な中、保護者、特にお母さんは、仕事との両立に悩むことが少なくありません。これにより“キャリアを諦めざるを得ない”と感じる状況も。
2. “寄り添い方”
「わかってくれる人が近くにいる」
保護者にとって、一緒に頑張った経験がある先輩の存在は心強いもの。ピアサポートの役割が大きく、母親同士が支え合うことで安心感や励ましが生まれています
相互理解を育むコミュニケーション
幼稚園や保育園などと保護者との間に誤解が生じることもあります。支援者は、難しい言葉を避けつつ、お子さんの特性や対応策を具体例を通じて丁寧に伝えることで、信頼が積み上がります。
地域と制度のつなぎ手に
行政の支援窓口や相談機関と保護者とをつなぎ、定期的な見守りを続けていくことも支援者の重要な役割です。早期に支援につながることで、保護者の不安も減っていきます。
3. “寄り添う支援”の実践例
▶️ ペアレントメンター・ピアサポーター
障がい児の子を育てた経験を持つ方が、保護者の相談相手となる制度です。
– 「同じ親としてわかってくれる」共感力
– 地域支援機関とのつながりで深い情報提供
– 当事者同士の絆による孤立感の軽減
▶️ 地域の支援拠点(児童発達支援センター等)
発達支援センターや保健師が「気づき」の段階から働きかけ、相談・療育につなげる体制を整え、保護者が“ひとりで抱えない”環境づくりに取り組んでいます。
4. “孤独じゃないよ”
子育ては、まずは「孤独じゃない」と知ることからはじまります。
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共感者の存在:同じ道を歩んできた人がいる
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手を差し伸べる支援体制:行政も専門家も一緒に支える
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小さな成功体験:「うちの子、やればできるんだ」その実感が自信に
5. 求職者に向けて
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共感を忘れずに:言葉かけやねぎらいがどれほど温かいか
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情報は具体的に:どこ・いつ・誰に相談すればいいかを示す
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支援は“人”から始まる:制度も仕組みも、人を通じて意味を持つ
障がいのある子どもを育てながらの生活は、山あり谷あり。でも、支援する人の“寄り添う力”によって、たくさんの光が生まれます。保護者の「大変だけど、ひとりじゃない」という思いを抱きながら、これからも支援の輪を広げていきたいです。
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