9月の子どもの心理と不安のサポート~障がい福祉支援員としてできること~
9月は、支援の現場にいる子どもたちにとっても大きな変化の時期です。夏休みという特別な時間から、再び日常の生活リズムや学校・施設の活動に戻ることは、子どもにとって少なからず心理的な負担になります。特に障がい特性を持つ子どもは、環境の変化や人間関係に敏感で、不安やストレスが強く出やすい傾向があります。
支援員として、この時期の子どもの心理を理解し、安心できる環境を整えることがとても重要です。
9月に見られやすい子どもの心理的変化
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生活リズムの乱れからくる不安定さ
夏休み中の不規則な生活リズムが残り、疲れやすさや集中力の低下が見られることがあります。 -
学校や集団活動への不安
新学期のスタートに伴い、授業や友人関係に対して強い不安やストレスを抱える子もいます。特にコミュニケーションが苦手な子どもにとっては大きな課題です。 -
情緒の揺れ
「行きたくない」「やりたくない」という言葉や行動に表れる場合があります。これは甘えやわがままではなく、心理的なサインとして受け止める必要があります。
支援員としてできるサポート
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安心できる環境を整える
施設や教室に入った瞬間に「ここは安心できる」と感じられるように、笑顔や落ち着いた声掛けを意識しましょう。 -
小さな成功体験を積ませる
「今日も来られたね」「最後まで座れたね」など、小さな達成を一緒に喜ぶことで自己肯定感を高められます。 -
子どもの気持ちを受け止める
「学校に行きたくない」「疲れた」という気持ちに対して、否定せず共感する姿勢が大切です。受け止めたうえで、次の一歩をどう踏み出すか一緒に考えましょう。 -
保護者との連携を大切にする
家庭と施設・学校での様子を共有し合うことで、子どもの不安の背景を理解しやすくなります。保護者にとっても「支援員が一緒に考えてくれている」という安心感につながります。 -
体調やサインに気を配る
表情や行動の小さな変化は、不安や疲れのサインかもしれません。いつもと違う様子に気づき、早めに声をかけることが大切です。
まとめ
9月は、子どもたちが新しい環境に適応するためにエネルギーをたくさん使う時期です。支援員として、子どもの「できない部分」に注目するのではなく、「できていること」「がんばっていること」に目を向け、寄り添う姿勢を大切にしましょう。安心感を与えることで、不安は少しずつ和らぎ、子どもは自分らしいペースで日常を取り戻していけます。
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